自閉症の療育環境は100倍効率化できる

自閉症療育の環境に関して、2016年の1月から3月で私は1つの認識と、1つの再認識に至りました。1月に家庭でスケジュールやカレンダーの資格支援を始めるためのオールインワングッズ「コバリテ視覚支援スターキット」を発表し、3月にはネットショップでの通販を開始しました。

新しい手法はなかなか浸透しない。

私が会社を起こして開発した支援グッズの中心的存在は、「カードフォルダー」です。このカードフォルダーの登場まで、普通に自閉症のお子さんが使用できて、なおかつ、購入できるようなカードというのは存在していませんでした。

このカードフォルダー単体でも、各ご家庭での絵カード作りの手間は激減します。私としては、このカードフォルダーの底力はフォルダーと絵カードの分離による、絵カードの標準化なんですね。35 x 35 mm の絵カードの供給は、かなりハードルが低いので、いろんな人が供給できます。(供給するのは、まだ私の会社しかないですけどね)

私の会社に販売チャネルが乏しいのが主な理由なんですけど、期待したほどは「コバリテ視覚支援スターキット」が売れていません。買った人からの評価は高いし、リピートで買っていく人もいるので、商品の価値は十分にあります。

新しい支援グッズというのは、普及までに時間がかかりますね。

埋もれている資源が山ほどある。

私の会社では、スケジュールやカレンダーに最低限必要な100種類ほどのイラストは自社制作して商品化しました。家庭療育に改革をもたらす支援グッズとしては、ネットショップ開店で販売体制は整えました。そこで再び、ご家庭で入手可能な絵カード用のイラストを調査しているところです。

そして、ゴロゴロあります。予想はしていましたが、埋もれている資源が山ほどあることを再認識しました。

自閉症関連でイラストといえば、汎用、日常生活、医療関係が代表的です。汎用のイラストは単品の集まりです。一方、日常生活と医療関係は、連続した複数の構成となります。

そしてほとんどがイラストデータ止まりですね。PCで書かれたイラストから手書きをスキャンしたイラスト、タッチの統一されたものから不統一のもの。ファイルも、jpgやgifだったりPDFだったり。サイズもまちまち。

手作業で、イラストを一点一点拾ってこなければ、利用できません。

そんな状態だから、目的が似たようなイラストが数カ所にあります。当然連携なんてされてません。元データの掲載サイトだけでなく、自閉症向けイラストや写真へのリンク集も沢山あります。当然、保守されていないので、リンク切れも混ざっています。

結局は、編集者がいないので、貴重な財産があちこちに埋まっていて、そのうち陳腐化してくという悪循環。そして、また同じようにイラストを作るプロジェクトが立ち上がる。これの繰り返し。

それぞれの家庭の苦労は計り知れない。

自閉症の完治する方法は見つかっていませんが、お子さんを療育する方法は既に確立しています。半世紀間の研究者の成果を凝縮すると、

  • 一つ一つの生活行動を養うことは可能
  • 視覚支援が効率が良い
  • ABA(応用行動分析)が効率が良い

という希望に満ちたものです。

ところが、いざ家庭で行う立場になると、状況が全く異なってきます。

  • 生活行動を数えると山ほどある。リストが手に入らない。課題分析の結果が手に入らない。
  • 視覚支援には画像が必要。画像を絵カード化するのに多大な手間がかかる。
  • ABAには高度なテクニックが必要。指導者でさえ習得が難しい。

ご家庭のお母さんお父さんが、本を買って読んでも、セミナーに出席して勉強しても、インターネットでデータをダウンロードしてきても、すぐにお子さんの療育に適用できるものはありません。情報を手に入れてから、お子さんに適用できる形にするまでは、もう一度自宅でリストを作ったり、自宅の部屋の構造を変えたり、支援グッズを手作りしたりする努力が必須です。

療育に必要な情報は、目の前まで来ているのですが、最後の1センチの壁が厚く、宝の持ち腐れ。その為に、探してくる、考える、作るという作業を各家庭が行っています。

もし、絵カードを家庭で作ることができないと、半世紀の研究者の成果を享受することができません。

鍵は、成果の流通方法。

療育手法は既に確立しています。そしてその療育環境もどこかには存在しています。それぞれのご家庭に、療育環境が無いだけなのです。

例えるなら食料の自給自足。野菜の栽培方法を知っていて、庭付きの家庭なら、自家野菜を食べることができます。集合住宅に暮らしていて、畑が確保できないと、野菜の自給は難しいでしょね(ミニトマトならなんとかなりますが)。現在の自閉療育の世界だと、栽培方法を教える人がいて、野菜の種を売る人もいますが、野菜そのものを打ってくれる人がいません。ましてや、袋を開ければすぐに食べられるカッティング野菜なるものも存在していません。

「最後の1センチの壁」を認識すれば、各家庭への療育指導も今とは変わってくるはずなんですよね。家庭における療育環境をいかに整えるか?

当社が販売を開始した「コバリテカードフォルダー」は、家庭での療育環境を整えるツールの一つなのです。各ご家庭での絵カードの制作手間(調達コスト)を激減させる仕組みが、カードフォルダーなのです。

私は、自閉症の療育環境の100倍改善を進めていきます。

お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!

古林 紀哉

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