スケジュール表は自閉症支援に役立ちますよね? いいえ違います!

自閉症

自閉症の子どもの支援に、スケジュール表が役立つと本当に思っていますか?

今私は、それを疑っています。

スケジュール表とは何かをちょっと説明します。米国ノースカロライナ大学の自閉症支援部が1990年代(実はもっと前)に、自閉症の総合的な支援手法を確立しました。現在では世界的に広がっています。その手法は、組織の名前をとってTEACCH(ティーチ)と呼ばれています。その手法の代表的な柱は「構造化」と呼ばれ、子どもの周りの環境を暮らしやすくする手法です。その構造化の中に、「時間の構造化」があり、具体的には「スケジュール表」を使ってこれから子どもがやるべきことを絵カード等で見せてあげる手法です。

自閉症の子どもは、いつも見通しの立たない不安定な生活をしています。「スケジュール表」を使ってこれからやることを見せてあげると生活が安定します。と、言われてきました。

自閉症の子どもの親にとって、一番の問題は、子どものパニックや癇癪です。子どもが大きくなると、暴力を振るうこともあります。

ところが、「スケジュール表」をうまく使うと、自閉症の子どものパニックや癇癪は激減します。これは、専門家も認める事実です。

多くのお母さんや、支援者たちが「スケジュール表」で支援をしました。でも、ほとんどの支援者が成果を出せずにいます。一部の支援者は「再構造化」と称して、スケジュール表の使い方を改善したりします。

なぜスケジュール表が、自閉症の子どもの生活を安定させるのか? なぜ、パニックや癇癪が激減するのか? 納得のできる説明ができる専門家はいません。

実は、自閉症支援の「スケジュール表」には使い方のルールが存在しています。前述のTEACCHがそのルールを確立しました。それは暗黙のルールです。暗黙ルールだから、TEACCHが確立した使い方ルールを忠実に再現できる人が少ないのです。

自閉症支援の「スケジュール表」に市販品もありますが、ほとんどは手作りです。手作りだと、千差万別の流儀が出てしまいます。「スケジュール表」と言われると、自閉症支援だけでなく、とても幅広い概念になってしまいます。

自閉症の子どもに「スケジュール表」のルールを誤用する支援者がとても多いのです。だから、ほとんどの支援者がTEACCH本来の効果を引き出すことができません。

私は、自閉症支援の「スケジュール表」製品を開発して販売しています。ホワイトボードに絵カードがマグネットでくっ付く方式で、今までにない新構造の絵カードを採用しています。自閉症支援のルールを再現できるように、いくつものノウハウが詰まった製品です。


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そして、とうとう気がつきました。

「スケジュール表」と言っている限り、TEACCH本来の効果を引き出すことができないことに。

これからは、

「行動支援ボード」と呼ぶことにします。

このボードの目的は、自閉症の共通の課題である、問題となる行動を抑制し、求められている正しい行動を促すことです。ストレートでしょ。「行動支援ボード」はおそらく新語です。でも一般名称です。ベタに言えば、「行動支援を目的とした、ボードと動かせるカードから構成される商品のカテゴリ」となるでしょう。

「行動支援ボードの使い方」というタイトルで使い方を説明すれば、多くの人が真面目に読むでしょう。「スケジュール表の使い方」というタイトルは、これまで多くの人が軽視してきましたからね。

また多くの人が、TEACCHとABA(応用行動分析)は、仲が悪いとか流儀が違うとか誤解しています。しかし「自閉症支援のスケジュール表」をうまく使うには、ABA(応用行動分析)の手法が不可欠なんです。

「行動支援ボードの使い方」という名前であれば、ABA(応用行動分析)の手法を入れても違和感がありません。

似たカテゴリに「タスクボード」というのがあります。「タスクボード」はビジネス向きで主にオフィスで用いられます。「タスクボード」の基本形は、ホワイトボードを3つの領域に分けて、それぞれ、To-Do(これからやるタスク)、in Process(やっているタスク)、Done(終了したタスク)とします。そして付箋にタスク(やる仕事)を書きます。その付箋を最初は、To-Do(これからやるタスク)の所に貼っておきます。タスクが進めば、その付箋を貼る位置を変えていくんですね。

もう一つ似たカテゴリに「お支度ボード」というのもあります。「お支度ボード」は幼稚園児向けで主に家庭で用いられます。「お支度ボード」の基本形は、小型のホワイトボードを用います。そして、両面使用できるマグネットシートに「歯磨き」、「着替え」などが一つずつ書かれています。「歯磨き」が終わって、歯磨きのマグネットシートを裏返すと「よくできました」と書かれた面がお支度ボードに貼られる、と言った具合です。

この2つの例のように、ホワイトボードに「カテゴリ名」がつくと、使い方が絞り込まれます。そのカテゴリ内で、構造や使い方が共通化していきます。カテゴリが示す目的のために、誤用は少なくなります。カテゴリが示す目的のために、構造や使い方の改善が期待できます。

 

これまでは、

  • スケジュール表をうまく使うと、自閉症の子どものパニックや癇癪は激減します。

これからは、

  • 行動支援ボードを普通に使うと、自閉症の子どものパニックや癇癪は激減します。

 

コバリテは行動支援ボード製品です。

いいでしょ!

疑うなら、療育の先生にこう聞いてみてください。

「私には、スケジュー表や絵カードを作る時間も能力もありません。もし買うとしたら、何がオススメですか?」

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