絵カードの大きさを揃えると、生活スキルが伸びる!?(自閉症支援の標準化)

起業家として

みなさんが何気なく使っているキャッシュカード。最近はどこのコンビニでもお金をおろせるので便利になりました。

ところで、あなたの使っているキャッシュカードの大きさを知っていますか?

85.60 x 53.98 mm

です。

もしも横浜銀行と三井住友銀行のキャッシュカードの大きさが違ったら?

ふとロールケーキが食べたくなって、コンビニに立ち寄りました。財布の中を見ると、50円だけ。オットーですね。ATMでお金をおろそうと思ったら、えっ!?このコンビニのATMには私のキャッシュカードが入らない。今、ロールケーキをどうしても買いたい、、、、

な〜んてことが、起きてしまいます。

どの銀行のキャッシュカードも、
85.60 x 53.98 mm
の大きさです。

だから、どのコンビニATMでもどの銀行のキャッッシュカードも刺さり、そして、食べたくなった時にロールケーキを食べることができるのです。

この大きさは、ISO/IEC 7810 という国際標準規格で決められていた大きさなのです。JIS X 6301 という国内規格も同じ大きさです。

みんなで大きさを合わせる!このような概念を「標準化」と言います。

日本工業調査会は、標準化(Standardization)とは、「自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化する事柄を少数化、単純化、秩序化すること」と説明しています。

私は昔々、1997年に、ISO/IEC JTC1 SC27WG2 セキュリティ標準化委員会委員をやってたことがありました。

 

さて、本題です。

自閉症の子供の支援に使う絵カードの大きさは、決まっていません。みなさん自由に作っています。

絵カードは、ボードと一緒に使いますよね。家庭の中では、絵カードの大きさと、ボードの寸法が大体揃っています。

もしも、絵カードの大きさがみんな同じだったら!

お友達の家庭と一緒に外出した時に、違和感なく絵カードを使えます。外出がハッピーになります。そのサイズ専用の材料(紙、ラミネートフィルム、など)が販売されるでしょう。すると、絵カードの自作費用が安くなります。自作にかかる時間も短くなります。お母さんは気軽に絵カードが作れるようになります。気軽に作れるので、お子さん用の絵カードが増えます。お子さんの語彙が増えます。語彙が増えるので、生活スキルがどんどんついていきます。お子さんの生活スキルがアップするので、お母さんが世話をすることが楽になります。家庭に笑顔が溢れます。

もしも、絵カードの大きさがバラバラだったら!

お友達の家庭や、療育施設で使っている絵カードをもらっても、家で使っているボードとの相性が良くありません。あなたの子ども用に作っている大きさと同じ大きさの専用材料は販売されていません。家庭では、絵カードデータを作る時も、印刷された紙を切る時も、ラミネートフィルムを切る時も、全てが自前です。工作道具が高いです。自作にとても時間がかかります。
するとお母さんは、たくさん絵カードを作ってあげるでしょうか?
絵カードが増えませんね。
子供の語彙も増えません。生活スキルがついていくでしょうか?
子供の生活スキルが上向かないと、お母さんが手伝う苦労は減るでしょうか増えるでしょうか?

 

日本で最初に絵カードのサイズを決めたのは、ピラミッド教育コンサルタントオブジャパンです。

  • ペクス大 45 x 45 mm
  • ペクス中 35 x 35 mm
  • ペクス小 25 x 25 mm

ピラミッド教育コンサルタントオブジャパンが販売している絵カードは、この大きさです。

そして、A-One がペクス大(45 x 45 mm) の大きさの台紙を市販しています。

私の提供している「コバリテ視覚支援スタートキット」では、絵カードの大きさを 35 x 35 mm にしました。最初からペクス中に合わせて、35 x 35 mm にしたのです。もしコバリテの絵カードの大きさを 40 x 40 mm にしてしまうと、ペクスの絵カードとの親和性が崩れてしまったでしょう。

ご家庭の皆さん、絵カードを作るときは、

  • 45 x 45
  • 35 x 35
  • 25 x 25

のどれかにしましょう。

そんなご家庭が増えてくると、絵カードそのものや、絵カード材料を販売する業者が出てくるようになります。

子どもの成長と家族のゆとりのために!

古林 紀哉

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